「ほうき星」ともいわれる彗星は太阳に接近するとき、长くきれいな尾をつけます。
太阳光ときれいな尾にはどんな関係があるのでしょう。
彗星は、岩石质、金属质のチリ、挥発性物质が冻ったチリなどがまじってできたものです。いわば「汚れた雪玉」のようなものなのです。太阳から远くにある时は、宇宙を転がる石のようですが、太阳に近づくと热せられてガスが蒸発し、ダスト(チリ)や微粒子(电子やイオン)を放出します。これは「尾」となり、太阳の光の圧力「光圧」などの影响を受けて流れるのです。
彗星の尾は、その光のスペクトルの违いから、2种类の尾が観测されます。ひとつは、ほうきの柄のようにまっすぐに伸びた「プラズマの尾」。もうひとつは、ほうきの先っぽのように広がった「ダストの尾」。プラズマの尾は、太阳の紫外线を受けて电离した电子やイオンでできています。ダストの尾は、大きさが数マイクロメートル(1マイクロメートル=1000分の1ミリ)以下のチリからできています。ダストの尾は、太阳の光の圧力「光圧」と、彗星の核の轨道运动の影响を受けて、広がりながらやや曲がって流れます。
光が物体にあたって吸収または反射されるとき、物体の表面におよぼす圧力を「光圧」といいます。これは「放射圧」ともいわれ、光子(フォトン)がモノにぶつかり反射されると、运动量が変化するために生じます。运动量の変化分が力として作用するのです(光には力学的作用もあるのですね)。光子は质量(重さ)はゼロですが、波としての性质もあるため运动量をもっているのです。その大きさは决して小さくなく、地球表面1尘2あたりに作用する太阳光の光圧を计算すると、1驳の物体を秒速7尘尘ずつ加速できる力になります。地上では、空気などとの摩擦、重力があるため、実际にはあまり影响はないのですが、宇宙空间をただよう小さなチリには大きな影响があります。逆にこの力を利用して「光子ロケット」を作るというアイデアもあります。
光圧と宇宙のチリの関係をもう少し见ていきましょう。宇宙では、地球轨道上にある直径が0.1マイクロメートルほどの小さな岩石のかけら(チリ)は、光圧によってうず巻き运动しながら太阳に近づき、约2000年かけて太阳内部に落ち込んでしまうことがわかっています(「ポインティング?ロバートソン効果」といいます)。チリは、光圧で远くへ吹き飞ばされてもよいはずですが、なぜ太阳に近づくのでしょうか。それは、物体は动いているため、太阳の光から受ける光圧の方向と、実际の太阳の方向は违うためです。光圧で远ざけられようとする太阳方向の分力に比べて、太阳の重力のほうが强く、じわじわと太阳に引き寄せられます。
宇宙にある星から届く光の方向は、地球の运动(公転や自転)のために、违った方向からくるように见えることもわかっています。この现象を「光行差」といいます。この现象は、恒星の见える方向が季节によって违うことを研究して発见されました。星の位置は地球の运动で见かけの位置が変化しますが、その光自体は地球にまっすぐに进んできます。光行差が生じるのは、垂直に降る雨の中を走ると雨が前から降りかかってくるようになるのと同じ理由からです。この光行差の角度は、计算で算出できることもわかっています。