u8国际

キヤノンサイエンスラボ

地球と宇宙と光

私たちが暮らす地球には、宇宙空间からの光が絶え间なく届いています。
地球に恵みをもたらす太阳光をはじめ、宇宙からの光のいろいろを见てみましょう。
宇宙空间には、さまざまな波长の波が降り注いでいます。可视光のほか、目に见えない赤外线や紫外线、ガンマ线や齿线、电波などがあります。これらは、电场と磁场が交互に振动しあう波となって何もない宇宙空间を伝わるもので、これらを総称して「电磁波」といいます。光も电磁波の一种です。地球は大気におおわれていますから、地上に届く电磁波は、可视光、近赤外线、电波の一部です。このことは、地球上の生命の存在とも深く関わっています。

光が生命を育む?

地球上の生命は、太阳が放出する光の恩恵を受けています。太阳から地球に届くエネルギーは、1分间に1平方肠尘あたり约2カロリー(太阳定数)。この数字から计算すると、太阳は、毎秒1兆トンの1万倍の石炭を燃やすのと同じエネルギーを宇宙空间に放出していることになります。太阳光がもたらす地球への恵みのうち、もっとも多大なものは植物による「光合成」でしょう。本来、光のエネルギーは物体に吸収されたとき、热に変わって物体の温度を上げます。蛍光や燐光が出る场合もありますが、多くの场合は物质に何の変化も起こりません。

しかし、ときには光によって物质が化学反応することもあります。これを「光化学反応」といいます。光化学反応は赤外线では起こらず、波长の短い可视光や紫外线が吸収されたときに起こるのがほとんどです。光合成も、光化学反応の一种です。植物は、太阳光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水からブドウ糖を合成し、さらに、デンプン、セルロースなどを生成します。つまり、太阳光エネルギーをブドウ糖というかたちで蓄积します。人间を含む动物はすべてこれら植物を食べることによって间接的に太阳光エネルギーを取り込み、光合成の际に発生する酸素を吸って生きています。つまり、太阳光は地球上の生命の源でもあるのです。どのようにして植物が光合成をしているかは、いまだ详细が解明されていませんが、緑色植物では细胞内にある叶緑体が、重要な働きをしていることがわかっています。

地球にも窓がある?

地球は、表面を大気がおおっています。宇宙からやってくる电磁波のうち、大気に吸収されて地表にまで届かない波长の电磁波があります。横の図をよく见てください。地球の大気は、可视光よりも波长の短い紫外线や齿线、ガンマ线の大部分を吸収してしまうのです。エネルギーの大きい齿线やガンマ线は、ストレートに地上に届くと生物の细胞を伤つけてしまいます。地球の大気は、地上の生物を守ってもいるのです。

また、波长の长い电波や远赤外线も、地表には届きません。地上で一般に観察される电磁波は、大気に吸収されにくい可视光、近赤外线、电波の一部となります。この波长领域を「大気の窓」といいます。地上からの天体観测は、大気の窓を利用した光学望远镜や电波望远镜で行われ、大気の窓が闭じている赤外线や齿线、ガンマ线は、気球や天文卫星を利用して大気圏外で観测します。

见えない光(紫外线?赤外线)は何をする?

可视光以外でも、紫外线や赤外线は、身近な电磁波です。可视光よりも波长の长い赤外线は、电化製品でもおなじみです。赤外线の中でも波长が2500ナノメートル以下のものを「近赤外线」といい、テレビやビデオのリモコン、光ファイバー通信に利用されています。波长が2500ナノメートル以上のものが「远赤外线」で、コタツやコンロに利用されています。

可視光よりも波長の短い紫外線は、エネルギーが大きく、皮膚やカーテンを日焼けさせる原因となります。特に波長が315ナノメートル以下の紫外線は生体の細胞の中のDNAを破壊する危険な面をもっています。紫外線は殺菌作用があるため、医療用具などに応用されていますが、大量の紫外線は皮膚ガンなどの病気を誘発し、生態系全体へも影響も与えることがわかっています。近年、クローズアップされている地球环境問題のひとつに、オゾン層の破壊がありますが、これは、この紫外線の悪影響が懸念されているためです。上空25km付近には15ppmというかなり濃いオゾン層があり、このオゾン層は生体に極めて有害な波長350ナノメートル以下の紫外線を吸収、カットしています。

ところがオゾン层の一部が冷蔵库やクーラーに使用されているフロンという気体によって破壊されつつあります。オゾン浓度が极端に薄い「オゾンホール」が、南极などで観测されています。

光がイタズラすると?

光化学反応によって起こる环境問題には、「光化学スモッグ」もあります。自動車の排気ガスが光によって化学反応して刺激性物質となり、大気汚染を引き起こすのです。これは、風のない暑い日に交通量の多い道路周辺で発生します。自動車のエンジンなどからは、一酸化窒素が排出されます。空気中に出るとすぐに酸素分子と反応して、二酸化窒素になります。二酸化窒素は褐色で可視光をよく吸収し、光化学反応が起こって一酸化窒素と酸素原子に分解します。ところが、この一酸化窒素はまたすぐに酸素分子と反応して二酸化窒素になってしまいます。

写真:「通常時」イメージ
写真:「光化学スモッグ」イメージ

つまり、光によって少量の一酸化窒素から多量の酸素原子ができてしまうのです(酸素原子ふたつからできている酸素分子を分解し、酸素原子を作り出す作用をしているのです)。できた酸素原子は酸素分子と结合してオゾンとなったり、排気ガス中のほかの有机化合物と结合して过酸化物となります。オゾンも过酸化物も、目やのどを强く刺激します。

地球が温室になる?

地球环境問題には、「温室効果」もあります。農業や園芸では、ガラスやビニールで作った温室が多用されています。ガラスやビニールは波長が400~3000ナノメートルの可視光線、近赤外線は通しやすいけれども、10000~20000ナノメートルの赤外線は通しにくい性質をもっています。赤外線は熱の放射の主役で、このため温室内に熱がたまるのです。地球については、ガラスやビニールと同じ働きをするものに雲などの水蒸気や二酸化炭素、メタン、フロンなどがあります。これらは「温室効果ガス」と呼ばれています。

これらの気体は、酸素と窒素を主体とする空気よりも比热が高く、一度上がった温度がなかなか冷めにくいのです。地球上の気温は大気と、植物?动物の生态系の微妙なバランスのうえに决定されてきました。ところが、最近の二酸化炭素の急激な増加によって温室効果が强まり、大気の温度が上昇することが悬念されているのです。